映像の色の補正についてです。
「カラーコレクション」「カラーグレーディング」。
どちらも映像の色を調整する作業の呼称です。
今回はこの「カラーコレクション」と「カラーグレーディング」について
違いをはっきりさせたいと思います。
「映像業界ではこう使い分けてます」という意味ではありません。
単に「言葉」「英単語」として捉え、意味をはっきりさせたいと思います。
カラーコレクション=Color Correction
Color = 色
Correction = 補正
Color Correction = 色補正 です。
色を補正する、のがカラーコレクション。カラコレです。
おかしなところを直す。
薄くなったり濃くなったりしているところを直す。
色を正しく再現できていないところを直す。
直す。 のがカラーコレクション。
ちなみに「パリコレ」「ナガコレ」などでつかう「コレクション」とは
英単語が違います。
パリコレ等の場合は collectionです。
Collection = 新作の作品集
趣味のコレクションなら「収集物」となります。
カラーグレーディング = Color Grading
Grading = Grade + ing
Grade(動詞) = 等級をつける
Grading = 等級をつけていく = 色の優先順位を決めていく
優先順位を決める・・・では意味がはっきりしません。
ここからは意味を汲み取ります。「意訳」です。
優先順位を決める = はっきりさせる
というところでしょうか。
さらに意訳すると、
色を表現する
というあたりに落ち着きます。
直すのか、表現するのか、という違いです。
被写体の肌の色とか、誰かの絵画とか、
現実にあるものに近づけていく調整を「コレクション」。
ある世界観を構成する為に、
画面全体にダイナミックな色調整を施すことを「グレーディング」。
ということになります。
意味を知ることは違いを知ることにつながりますね。
ところでこの「色補正」についてです。
弊社では「ここ一発」のロケではS-Log3を使っているのですが、
この度、Final Cut Pro XがS-Log3に対応したとのことで、
その実力をみてみました。
まずは 撮りっぱなしのS-Log3。
被写体は撮影前にテストで映った私です。
波形もギュッと圧縮されています。
続いてはPremiere Proにあらかじめ入っている色補正エフェクトの一つ
「Lumetri カラー」。ルメトリカラー?って読むのかな?
これの中に入っているS-Log3用のルックアップテーブル(LUT)を適用し、
少しだけ調整をしたものです。
波形もグワッと広がっています。波形が幅広いほど良い映像です。
そして最後がFCPX。
素材の「情報」タブにある「設定」という項目でS-Log3を選択できる様になっています。
こちらもLUTを適用した後、少しだけ調整したものです。
色は変えていないのですが、Premiereよりも青い感じ。
以前のテストでも同じでしたが、
色をちゃんと補正しないと、
FCPXは全体的に「青く」なる傾向がある様です。
ちなみにLUTをあてずに、これくらいの仕上げが個人的な好みです。
うすーい うすーいのがなぜか気に入っています。
ですが、今回の案件では、これくらいの色合いでいきたいと思います。
Premiere Proです。
色は奥が深いですね。
ここから更に進んだ色調整をするには、
Davinci Resolveという「沼」に向かわねばなりません。
深そうですなぁ。
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