演出のやり方③(完)

忘れないうちに書いておかなくてはなりません。

完結編です。


演出のやり方というよりも「表現の基礎」の方が

ふさわしい内容です。

では。



テーマを決めて、メッセージを載せる。


前回は「テーマを決める」まで進みました。




今回は、例として示したもののうち、


「うちの新しい製品は価格が安い」と、


「私が大好きな街の風景が消えようとしている」


という2つのテーマを取り上げます。




<なぜ?>



テーマが固まったら、


「なぜ」


をキーワードにしてストーリーを作ります。



「うちの新しい製品は価格が安い」



なぜ?



なぜなら、

完全内部生産+流通コストを抑えたから。


なぜ完全内部生産+流通コストを抑えたの?



なぜなら

競合との価格競争に打ち勝ち、かつ品質の向上を図って
業界トップクラスの製品を作りたかったから。


なぜ業界トップクラスの製品を作りたかったの?



なぜなら

弊社はもともとこの製品の下請けで始まった会社。
下請けからメーカーへと成長していくための
象徴といえる製品が欲しかったから。


といった具合です。



・下請けからの脱却

・会社を象徴する製品の開発

この2点がストーリーの軸になりそうです。





もうひとつの例「私が大好きな街の風景が消えようとしている」



なぜ?


なぜなら

街の再開発が始まったから。


なぜ街の再開発が始まったの?



なぜなら

古くからある街並が、災害や火災に耐えられないと
判断されたから。

なぜ?


築100年を超える歴史的な木造建築が沢山あって、

辻道は消防車も入れないくらい幅が狭いから。

その街をなぜあなたは好きなの?


なぜなら…


といった辺りにストーリーの軸が見つけられそうです。





<だから>


この様にして見つけた構成要素を組み立てて、

ストーリーを完成させるのですが、
そこに「だから」を使ってメッセージを載せます。

だから何なんだ?何が言いたいの?


というシンプルな疑問にはっきりと答えるのです。




「うちの新しい製品は価格が安い」



だから?



「買って下さい!」 



このテーマだと、これ以外にメッセージはありませんね。

買ってくれ、と ぶっきらぼうに叫ぶのか、


お客様の課題を解決する新世代のソリューションとして、
当社の新製品をオススメする、

と少しでも相手に寄り添う為に慎重に言葉を選ぶのかは、
作り手や発信者の好みです。お好きな様に。



「私が大好きな街の風景が消えようとしている」


だから?



「この映像を通じて、多くの人の心に風景を遺したい」


または

「再開発反対!」

あるいは、

「再開発のお役に立てるのは当社だけです!」

という形も成り立ちます。



どれも立派なメッセージです。

結局何が言いたいか、それをはっきり持っておくことが

もっとも大切です。


全ての要素はメッセージを伝えるためのものなのです。






以上、長々と書きましたが、

日頃私が取り組んでいることを表現の基礎としてお伝えしました。

いろんな考え方と方法があると思いますので、

参考のひとつになれば幸いです。


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